これは俺と嫁の初体験にまつわる話。

俺と嫁のMは、俗に言う幼馴染という間柄。
幼稚園の頃に知り合ったが、仲良くなったのは小学校高学年から。中学に入ると疎遠となり、高校も別々になったが、毎日駅のホームで顔を合わせるうちに再び親しくなり、高2の春休み中から付き合うようになった。
Mはいわゆる『高校デビュー』ってやつで、ロングの巻き髪にカーディガンを腰に巻いた、すっかり今時の女子高生風な出で立ちに化けやがった。
中学までは、二つ結びに眼鏡をかけた地味系の女子だったのに……
そんでもって、付き合いだしてから数ヵ月が経った頃からだんだんとMに対し、口では言い表せぬ悶々とした感情を抱くようになり、いつしか『彼女との初体験』を夢見るようになる。
両親や2歳下の妹がいないタイミングを見計らうも、なかなか思うようなチャンスは訪れなかった。しかし、俺は我慢に我慢を重ね、半年が過ぎようとした頃、ようやくチャンスの時がやってきた。
その年のシルバーウィーク中、両親は夫婦水入らずの温泉旅行に出かけており、受験を控えた妹も日曜以外は塾漬けといった、Mとの初体験をする上で、最高のシチュエーションが出来上がった。
当日の前夜、俺はいつものように携帯で『明日の昼二時に家へ来い』と、Mに約束を取りつける。
Mとの会話が終わり携帯を閉じてからも、初体験の段取りを入念に確認し、いつまでも眠れぬ夜を過ごした。
翌日、目を覚ますと……なんと昼の十二時を過ぎており、大慌てのまま部屋を片付け、身なりを整え、Mを待った。
約束の時間十分前、部屋でそわそわして待っていると……
『ピンポーン!』と、インターホンが意表を突いてきた。
リビングにある画面を覗いてみると、そこにはお目当てのMの姿があった。
俺は何食わぬ顔をしたまま玄関を開け、そのまま自分の部屋へ誘導するが、動悸が止まらなかった。
付き合ってから何度も家に招いているが、いざこうして初体験を目論んでいると、異常なほど緊張してしまう。
どうにか堪え、必死に冷静を装いながら一枚のDVDを取り出す。
それはカップルが観るのに定番な『恋愛もの』。案の定、Mの方も食いついてきたので、すぐさま上映を開始した。
肝心の内容については自分たちに重ね合わせ、『幼馴染のカップル』をチョイスした。
最初は笑うシーンが多く、俺もMも会話を交えながら観ていたが、次第に口数が減っていき、中盤を過ぎたあたりでデッキに表示される時間を確認する。
浮き出たデジタル数字は、もうすぐ『例のシーン』に差しかかることを告げており、俺はかつてない緊張感を抱いたまま、静かに映画を眺め続けた。
そして……『例のシーン』はやってきた。
内容はこうだ。俺たちと同じように、彼氏の家でいつものように遊んでいたカップル。すると、彼氏の携帯に一本の電話が……
電話の相手は母親。仕事の帰りが遅くなるから、夕飯は自分で済ませてくれといった、ありふれた伝言。
しかし、その会話を間近で聞いていた彼女は突如俯き、彼氏も電話を切ると口を閉ざしてしまう。
短い沈黙の末、顔を合わせた二人は唇を重ね合わせ、そのまま勢い余って熱く濃厚な過ちを犯してしまうという、不健全なくだり。
下見をした段階から『このシーンは使える』と踏んでいた俺は、そのシーンに差しかかった際の雰囲気づくりを、前日から何度シミュレーションしたことか……
そして、そのシーンに突入するとMの表情に変化が生じた。
俺の意図を察したのかどうか、映画に出てきた彼女と同じく俯き、気まずそうな表情を浮かべていた。俺もMに同調して口を閉ざす。
数秒の間を空け、映画の彼氏みたくMの顔を覗き込むとそこには……
映画のヒロイン顔負けの潤んだ瞳をしていた。その時の表情は明らかに『何かを期待してます』と言わんばかりで、俺はそんなMの期待に応えることにした。
顔を向かい合わせ、そのまま徐々に距離を縮めていき……『チュッ』と唇同士をタッチさせる。
ここまでは映画の流れとまったく同じ展開だ。そして、このまま映画の内容を真似てみようと思った。
キスをした状態を保ちつつ、Mの両肩に置いた手をゆっくりと移動させ、彼女の胸にぶら下がっている柔らかな果実を掴む。
映画のヒロイン同様、身震いこそ起こすものの嫌がる様子はなく、その後も優しくパンをこねるように揉みしだいた。
映画のヒロインは微乳、よくて並乳といった程度だったが、Mはそのワンランク上の適乳であり、大きすぎず小さすぎずの胸は手のひらにすっぽり収まり、指に力をこめるたびに手にひらいっぱいに柔らかさが充満した。
その後数分にわたり、唇と手のひらでMの温もりと柔らかさを味わい、心地よい気分になったところでベットに押し倒す。
ペロッとまくったスカートから、ピンク地のトリコットショーツが顔を出す。
中指で生地の上から割れ目をなぞり、指先に少し力を入れるとズボッと食い込む。
すると、指先にほんのりと湿った感触があり、今度は直に触ってみることにした。
露出してある下腹部に手を沿え、肌と下着の隙間からねじ込んでいく。指の第二間接がくらいでふさふさとした陰毛の感触があり、それを?き分けて奥にある淫裂へ到達する。
突き立てた中指で丹念になぞると、先ほどとは比べ物にならないくらい、ぐっちょりと濡れた感触が指先に伝わってきた。
ここまで愛撫をたっぷり堪能し、前戯を済ませた俺たちはいよいよ本番へ移行する。
Mの着ていた秋物のブラウスとスカートを脱がし、下着姿となった幼馴染に感銘を受けながらも、作業を続行する。
ホックを外してブラを身体から抜き取り、ずるずるとショーツを腰から足元へ下げていく。
身を守るものを失ったMの姿は、妙に神秘的だった。
続けて俺も身ぐるみを剥いだ。そして、下着を脱いだ瞬間。それまでずっと暴れくるっていた肉棒が姿を現し、ビーンビーンと元気よく反り返っていた。
そんな肉棒を握りしめ、Mの膣口にあてがう。開いた股が晒すビラビラとした濃いピンク色の花びらは、とても刺激的に映った。
花びらの中央を肉棒でこじ開け、ズブズブと奥へ突き進んでいき、ついには根元まで呑み込まれてしまった。
締めつけられる肉棒に感じる果てしない快感。それをもっと感じたく、俺は本能のまま腰を振り続けた。Mのことを気にかけながらも性欲には勝てず、結局そのまま精液が枯渇するまで行為は続いた。

それから八年。俺たちは共に二十五歳となった。
高校卒業後、俺は専門学校、Mは短大に進学し、卒業後の二十一歳の時に結婚。
昨年末、第二子の次女が誕生。『次は男だ』という自分の願いを叶えるため、現在でも週五のペースで抱いている。