僕は、23歳の大学生で、休学していたのでまだ2年生です。
昔から、英語が好きで、休学していたのもアメリカを放浪していたからです。

そのおかげもあって、英語はしゃべるのも含めて、問題ないレベルです。
とは言っても、英語が出来るくらいで就職が有利になる時代でもないので、すでに就職に関しては色々と調べて動いていました。

僕は、自分ではそこそこ整った顔だと思っていますが、いわゆる草食系なので、彼女もこの歳まで作ることが出来ませんでした。とは言っても、それほど強く欲しいと思っているわけではないので、毎日趣味などで楽しく過ごしていました。
趣味と言っても、アニメを見たり、フィギュアスケートを見たりするくらいですが、それで毎日充分楽しいです。

そんなある日、秋葉に買い物に行って、ちょっと外れの方にあるショップに向かう途中、いきなり英語で声をかけられました。
『あなたは、英語しゃべれるのかしら? 本当に、誰もしゃべれないって、信じられない!』
と、かなりイライラした感じで言われました。
振り返ると、ちょっと大きめのコロ付きのバッグを持った、小柄な金髪の白人さんがいました。
どう見てもまだ子供なんですが、恐ろしいほどの美しさで、射抜くような青い目で僕をじっと見つめていました。

僕は、気圧されるように、
「しゃべれます。なんでしょうか?」
と、気弱に言ってしまいました。

僕をじっと見ていた美少女は、
『ハニュー、、、』
と、ボソッと言いました。
「あ、違います。別人です。似てると言われますが、違います」
と、しどろもどろで答えました。

僕は、フィギュアスケートの羽生選手と似ていると言われることがあります。
彼が話題になるようになってからは、にわかに僕もモテ期が来たのかな?と、思うくらい、女子に話しかけられるようになりました。
でも、顔はちょっと似てるけど、羽生選手とはスペックが違いすぎます。僕は弱気ですし、スポーツもダメ、勉強も英語以外はごくごく普通、、 本当に、同じ人類とは思えないくらい、彼とは差があると思います。
『わかってる、、 ねぇ、ここにはどう行けばいいの?』
英語が通じるのがわかって、イライラも収まったのか、普通の口調でした。
でも、ニコリともせずに、淡々と言う彼女は、氷のように冷たい印象でした。
それにしても、驚くほどの美少女です、、、

そこで僕は気がつきました。
この子は、リプニ○カヤさんだと、、、
フィギュアスケートを見るのが好きな僕ですから、間違いないと思いました。
「ユ、ユリアさんですか?」
おっかなびっくり聞くと、右眉が少しだけ上がりました。
『で、ここにはどう行けばいいの? 答えてくれますか?』
聞かれたことにだけ答えろという感じで、クールに言われました。

そのプリントアウトした紙を見ると、よく知ってるショップでした。
大型の店で、フィギュアやマンガDVD等々、中古、新品、古い物からなんでも置いてあって、店員さんがコスプレしているので有名なあそこでした。

「はい、ここから歩いて5分くらいです。場所は?」
場所の説明をしようとすると、さえぎるように
『後ろ付いてくから、案内して』
と、短く言いました。
それは、お願いする態度ではなく、決定事項を下僕に告げるような口調でした。
僕は、正直、怒りよりもゾクゾクしていました。

そして、あの映画のあの場面のように、”親方、空から女の子が!!”と、叫びたいような気持ちでした。
何か、ワクワクすることが始まった! そんな気持ちでした。

「わかりました。付いてきて下さい」
僕はそう言って、彼女の前を歩き始めました。
それと同時に、スケジュールを思い出していました。フィギュアスケートの試合のスケジュールは、ほぼ頭に入っています。
ユリアが何をしに日本に来たのか、推測が始まりました。

今は、シーズンオフなので、試合もないはずです。
エキシビションか、、、
ここで思い出しました。

うろ覚えですが、日本のテレビ番組に出る予定があったはずです。
収録がてら、観光かな?
そう思いながら、真っ直ぐショップを目指します。
すれ違う人達が、ガン見する感じです。
秋葉に集う人間に、ユリアはアニメキャラのように神々しく映るはずです。
二次でもスゲぇと、、
僕は、ユリアと気づかれないか、ドキドキでした。
多分、バレたらパニックになる、、、 そんな気がしました。

それは彼女も感じたようで、人が増えてくると、サングラスと帽子をしました。
これだけで、かなりわかりづらくなりました。
その上、彼女は黙ってると、プンプンオーラが出てるので、怖くて声をかけられないと思います。

僕は、不思議な気持ちでした。
あのユリアを先導している。そう思うと、テンションが上がりまくります。
でも、話しかけることも出来ず、それどころか、振り返ることすら出来ずに、足音だけを頼りに、彼女がついてきていることを確認します、、、

そうこうしているうちに、あっけなく、何もイベントが起きないまま、なんのフラグも立たずにショップに着きました、、

「ここです。お疲れ様でした」
案内して疲れたのは僕なのに、彼女のオーラに気圧されて、こんな事を言いました。

すると、ユリアはニコッと笑って、
『ありがとう』
と、一言だけ言いました。

その冷たい氷のような顔が、笑顔になっただけで、魂を奪い取られる感じでした。
もともと、2番目に好きなスケーターでしたが、この瞬間、一番好きになりました。
好きになったと言うよりも、恋に落ちた感じでした、、、

「ど、どういたしまして」
ドモリながら答えて、会釈をしてその場を去ろうとしました。
すると、後ろから、シャツの裾を引っ張られました。
『なんて書いてあるか、通訳して』
と、またお願いではなく、決定事項の通知という感じで言われました。

僕は断ることも出来ずに、それどころか、嬉しいと思いながら、
「喜んで!」
と、力強く言いました。

その僕の言い方に、ユリアはフッと軽い笑みをこぼしました。
もう、この笑顔のためなら、なんでも出来る!! そう思うほどの破壊力でした。

彼女は、テレビで見るよりも、背は小さく感じます。でも、体つきは、きゃしゃではありませんでした。
さすがにアスリートというか、筋肉を感じる体つきでした。
そして、意外に胸があることに驚きました。それほどデカくはないですが、イメージよりは大きいです。
テレビやネットで見る彼女は、ぺったんこなので、成長期で育ったのかな? 
それとも、試合中はさらしでも巻いているのかな?と思いました。

僕は、今度は逆に彼女についていきます。
彼女は、フィギュアコーナーを見て、ハガレンのところで足を止めました。
そして、サングラスを外して、熱心にショーケースの中を見始めます。
本当に、鋼の錬金術師は外国でも人気なんだなぁと感心しました。
エド推しかな?と思っていたら、まさかのブラッドレイ推しで、熱心にフィギュアを見て、僕に価格とか、ポップの文章を翻訳させました。

マスタングも好きなようで、嬉しそうに見ています。
と言っても、顔は笑顔ではなく、相変わらず冷たく感じるほどの美しさのままでしたが、目が笑っています。

やっぱり、まだまだ子供なんだなぁと、少し安心しました。

そして、5つほどフィギュアを買いました。
包んでもらっている間、僕をレジに残して、店内を見回りに行くユリア。
ちょっと心配でしたが、ここにいるお客さん達が、ユリアに声をかけられるとは思えないので、まぁ大丈夫かと思いました。

そして、包装が終わり、ユリアを探すと、奥の古い物が置いてあるコーナーにいました。
熱心に見ている彼女は、さっきハガレングッズを見ているときよりも、はっきりとした笑顔です。
無邪気に、年相応のこぼれんばかりの笑顔で見つめるその先には、コロ助の目覚まし時計がありました。

へぇ、、 コロ助好きなんだ、、 と、ちょっと驚きながら後ろに立ち、声をかけました。
「コロ助、好きなんだ?」
すると、彼女は驚いた顔で振り返り、美しい白い顔を少し赤らめながら
「な、何それ?知らない。終わったの? じゃあ、行くよ」
と、動揺しながら僕のシャツを掴んで、引っ張っていきます、、

頬を赤らめて、慌てている彼女。
人間らしいところを見た感じです。氷のように見えても、やっぱり女の子なんだなぁと思いました。

店を出ると、彼女が僕のシャツから手を離しました。
あぁ、終わってしまった、、、 でも、彼女の色んな一面が見られて良かった、、 本当にラッキーだった、、 そう思っていると、
『お腹すいた。ソバが食べたい』
と、ユリアが言いました。また、冷たい感じの、通知口調でしたが、僕は嬉しくなりました。

まだ一緒にいられる上に、食事まで出来る!!
小躍りしそうでした。
そして、秋葉では有名なソバ屋に連れて行きました。
ユリアは、珍しそうに店内を見回しています。

そこで僕は行動に出ました。おそらく、このまま何もしなかったら、ただのガイドで終わるはずです。さして記憶にも残らないはずです。

僕は、注文を終えると、ちょっと待っててとユリアに言い、ダッシュでさっきのショップに戻り、コロ助の目覚まし時計を買いました。

そして戻ると、彼女はもうソバを食べていました。
僕を待つことなく、食べている彼女。
僕が戻っても、チラッと見るだけです、、、

彼女は、音を立てないように、慎重ににすすっています。
僕は、
「ソバは音を立てて良いって言う日本のルールだよ」
と、教えました。
彼女は、ちょっと目を大きく開けて、驚いたという顔をしたあと、それでも僕を真似て、ソバをすすりました。

最初は少し気にしながら、恥ずかしそうにすすっていましたが、だんだん慣れてきたようで、普通の日本人みたいに食べ始めました。

そして食べ終えて、そば湯を注いであげると、珍しそうに、不思議そうに飲みました。
「美味しい! このスープ、何?」
と、聞いてきました。
説明すると、感心したようにうなずき、飲み干しました。
そして、僕が飲んでいるのを、僕の手から奪い取り、飲み干しました。
僕は、ドキドキしてたまりませんでした。 間接キス、、、 そんな言葉が頭を巡りました。

そして、それも飲み干すと、”美味しかった”と満足そうに言いました。

そして、僕はこのタイミングで、コロ助が包まれている袋を渡しました。
「なに? くれるの?」
あまり関心がなさそうに言うユリア。

無造作に、つつみを破っていきます。
すると、コロ助の外箱が見えてきて、ユリアは一瞬で全開の笑顔になりました。
そして、ニコニコしながら、箱から取り出します。
黙っていると、冷たい氷のような彼女が、太陽のように無邪気な笑顔でコロ助をいじくり回します。

”朝なりよ! まだ眠いなりか? 遅刻するなり!!”
コロ助が、そう叫びました。
すると、もっと笑顔になった彼女が、
『なんて言ったの?』
と、聞いてきました。

通訳して教えると、片言で
『チコクゥスルゥナリィ アサァ、ナリィィヨォゥ』
と、何度も繰り返します。

僕は、その姿を見て、心から幸せでした。ユリアのこんな姿が見られた、、 ラッキーという言葉では足りないくらいです。

「プレゼントだよ。世界選手権銀メダル、おめでとう」
僕はそう言いました。
『あ、ありがとう、、  もらっといてあげる』
そんな言い方をしながらも、照れた感じで、ずっとコロ助を触り続けています、、、

なまじ黙ってると、氷の女王様のような感じなので、今のこの可愛い仕草とか、照れた感じがたまらなく可愛いと思いました。

僕は、多分少しニヤけながら見ていたのだと思います。
『名前は?』
急にユリアが聞いてきました。僕は、今さら?とも思いましたが
「ユウだよ」
と言いました。
『ユヅルじゃないんだ、、 ホント、似てる、、』
ユリアは不思議そうな顔で、ボソッと言いました。
自分では、そんなに似ているかな?と思うのですが、ロシア人にはそっくりに見えるのかも知れません。

「ゴメンね、似てて、、 やっぱり、本当に好きなんだ?」
僕は、ネットでの噂をストレートで聞きました。
彼女は、ネットにあげられた彼とのツーショット写真に、わざわざ”いいね”しているそうなので、相当好きなんだろうなと思います。噂では、プーチンとの写真には”いいね”しなかったそうです、、、

『な、なに言ってんの? バカじゃないの!』
顔を真っ赤にして強がる彼女、、 透けるような白い顔が、本当に笑ってしまうほど赤い顔になっています。
僕がそれを見て笑っていると、急に真顔になって、黙って見つめられました。
彼女が黙って見つめてくると、その青い瞳に吸い込まれそうになり、ちょっと怖くなりました。

「ご、ごめんなさい、、 これから、どうするの? ホテルまで、帰れるの?」
僕は、そう聞きました。
『浅草寺に連れてってくれる?』
ユリアは、それには答えずに、短く言いました。
「え?あ、あぁ、いいよ、行こう!」
僕は、予想外の言葉に驚きましたが、嬉しくて仕方ありません。

会計を済ませて、店を出ました。
そして、つくばエクスプレスの駅に向かいました。
駅が近くなると、すごい人混みになってきて、ユリアは驚いているようでした。
もしかして、これだけの人混みはロシアにはないのかな?と思いながらも、少し足を緩めると、ユリアが手を繋いできました。

小さな可愛らしい手で、僕の手をギュッと握る彼女。不安そうな感じが伝わってきます。
僕は飛び上がりそうなほど嬉しかったです。
まさか、あのユリアと手を繋いで街を歩けるなんて、想像したことすらありませんでした。

僕は、そのまま手を引っ張り、電車に乗りました。
そして、浅草寺や浅草を色々と観光しました。
浅草寺で、香煙を”良くしたいところに塗り込むと、良くなる”とか教えてあげました。

ユリアは、ふ?んとか言いながら、”変なの”と、興味なさそうに言いましたが、僕が頭に香煙塗りながら、”頭が良くなりますように”と言うと、笑っていました。

そして彼女が、僕が見ていない隙に、慌てて胸に塗り込んでいるのを見逃しませんでした。
やっぱり、胸は大きくしたいモノなんでしょうか? 
競技には邪魔になる気がしますし、彼女のキャラクターには、貧乳のほうが似合う気がします。

もう、何時間も一緒にいて、彼女のことがわかってきました。
彼女が冷たく感じるのは、笑顔と真顔のギャップが強すぎるからで、彼女自身は別に冷たい人間ではないということ。
黙っていると、大人びて見えるけど、中身は無邪気な子供ということ。
そんな事がわかってきました。

そして、彼女も僕に慣れてきてくれたみたいで、ニコッと笑いかけてくれるようになっていました。
もう、まるっきりデートのような感じです。
僕は、この短時間で、一生分の運を使い果たした気持ちになりました。

そして、日も落ちて、辺りも暗くなってきました。
「じゃあ、そろそろ帰った方がいいよね? 同行の人も、心配してるんじゃないの?」
僕は、まだ一緒に過ごしたい気持ちを押し殺して、大人としての意見を言いました。

『ユウの家は近いの?』
ユリアは、また僕の話を無視してこんな質問をしました。
「え? あぁ、近いよ。歩いても、20分くらいだよ」
『じゃあ、ちょっと見せて。日本人の部屋、見てみたいから』
ユリアは、とんでもないことを言い始めました。
僕の部屋に来る? ユリアが!? 今まで、女性は誰一人来たことのない僕の部屋に!?

ちょっとパニクりました。
でも、ユリアも微妙に緊張している感じです。
僕は、
「いいけど、狭いし、散らかってるよ」
と念を押しました。

『どっち? 行くよ』
ユリアは、また僕の言葉を無視して、勝手に歩き始めます。
「ち、違う、こっち、こっちだよ!」
慌てて声をかけて、方向を修正します。
すると、また僕の手を握ってきました。
『早く言いなさいよ。はい、出発』
冷たい目で言うユリア。また、僕は気圧されながら
「は、はい、ゴメンなさい」
と、謝ってしまいました。

すると、今までと違って、ユリアがニコッと笑いながら
『そんなしゃべり方しないでいいよ。友達と話すみたいにして』
と、言いました。
僕は、この年下の美少女に、翻弄され続けています。でも、それが楽しいとも思っていました。

そして、彼女と手を繋いで、歩き始めました。
恥ずかしい話ですが、僕はこの歳になるまで、女性と手を繋いで歩いたことはありませんでした。
当然、デートもしたことがなかったので、初デートの相手がユリアということになります。

道案内だけだと思っていたのに、本当にワクワクするようなことが始まった感じです。
いきなり始まった非日常。ユリアはもしかして飛行石のネックレスをしているのではないか?などと、下らない妄想が広がります。

どっぷりと妄想に浸っていたら、急に手を引っ張られました。
慌てて足を止めると、ユリアは、
『あそこに行きたい』
と言って、そちらに歩いて行きます。
すべての決定権は、彼女にあるという感じですが、こういうのは嫌いじゃないです。それどころか、弱気な僕は引っ張ってもらう方が好きかも知れません。

彼女が興味を持ったのは、コンビニでした。
中に入ると、色々なお菓子を手にとって、不思議そうな顔をしたり、ニコッと笑ったりしながら、どんどんと手に取ったかごに突っ込んでいきます。

そして、ちょっとした小物というか、オモチャ的なグッズにも興味を示し、アンパンマンのヤツや、プリキュアのものをかごに入れました。
やっぱり、こう言うのを見ると、見た目はクールでも、中身はただの女の子だなぁと思いました。

そして、彼女は500円クジにも目をつけました。たまたまサンリオ系のヤツだったので、猛烈に興味を示し、商品をかごに突っ込もうとしました。
慌てて止めて、それはクジだという説明をしたら、頬を少し膨らませて、不満そうな顔をしました。
そんな表情をしたのは、テレビでもネットでも見たことがないので、腰が砕けそうなほど萌えました。

そして、レジで会計をして、クジを引きました。
こう言ってはなんですが、世界レベルのアスリートは、やはり非凡な存在なんだと思いました。一発で、さっきかごに入れようとした商品を引き当てました。
彼女は、ロシア語で叫びながら、その場で飛び上がりました。
店員のおばさんも、良かったねぇ?などと言いながら、商品をバーコードリーダーに通し、ユリアに渡してくれました。

ユリアは、袋はいらないと手で制し、その大きめのぬいぐるみを抱きかかえます。
ぬいぐるみを抱えて、ニコニコしている彼女は、本物の天使に見えました。

そして、上機嫌な彼女は、ぬいぐるみを抱えたまま、僕の手を握ってきました。
書き忘れていましたが、彼女の大きめのカバンは、最初の段階で、当然のように僕が持たされていました。あまりに自然に、当然のように僕に持たせたので、持つのが当たり前と思っていました、、、

そして、僕の家に着きました。
ごく普通の1Kのマンションです。
ユリアには狭いと言いましたが、駅から少し遠いのと、若干古いので、居住スペースは35?くらいあり、そこそこ大きめです。

でも、ユリアは部屋に上がると、
「部屋はこれだけ?」
と、驚いた感じでした。
ロシアの住宅事情は知りませんが、1Kという間取りが不思議なようです。

彼女は僕のフィギュアの棚や、マンガ、DVDの棚を興味深そうに見ています。
そして、ハガレンのDVDを見つけると、再生しろと言いました。

僕の部屋には、ソファなんてありません。自然に、二人並んでベッドに腰掛けて、DVDを見ることになりました。

僕は、コップなどを持ってきて、緊張しながら彼女の横に座ろうとすると、彼女が慌てた顔で、少し横にずれました。
僕も、そんなにくっついて座ろうとしたわけではないのですが、かなり距離を開けられました。
まぁ、初対面の男性の家に上がったのだから、無理もないなと思って、そのまま座りました。

そして、テーブルのリモコンを取ろうとして、少し体を動かしたら、彼女がアスリートの機敏さで、立ち上がりました。
『な、なに!?』
彼女は、驚くというか、ちょっと不安そうな顔で僕に言いました。
「え?あぁ、、その、リモコンを、、」
僕が説明すると、
『あ、あぁ、そう、、 ビックリさせないでよ!』
と言いながら、また座りました。

部屋に入ってから、彼女のキャラが変わりました。
勝ち気でクールな感じの女王様。そんな感じだった彼女が、か弱い小動物みたいな感じになっています。

ずっとスポーツ漬けだった彼女は、もしかしたら男性に慣れていないのかも知れない、、、
そう思いました。

とは言っても、二人きりでベッドの上に座っている状況でも、僕は何も出来ないと自覚しています。

そして、僕のそんな弱気を理解したのか、ユリアも緊張が解けてきたようです。
さっき買ったお菓子を食べながら、DVDを鑑賞しました。

彼女は、たこ焼きを作る駄菓子みたいなのを、興味深く作っていました。
水を混ぜて、型に入れてこねて、ソースをかけるだけなのですが、目をキラキラさせながらやっています。
そして、完成すると、無造作に僕の口に近づけました。

まさか、こんな風に食べさせてもらえるなんて思ってもいなかったので、メチャ嬉しかったです。
パクッと食べて、美味しいと大げさに言うと、ニコッと笑ってくれました。
そして、自分も食べて、
『美味しい』
と、僕に笑いかけました。

なんか、恋人になった気分です。
彼女は、僕が買ってあげたコロ助を取り出しました。
ニコニコとしながら、撫でています。
すると、自分のカバンからサインペンを取り出して、裏側の足の部分に
『ここに、ユウの名前書いて』
と、ぶっきらぼうに、照れた感じで言いました。

この子は、本当にギャップがたまりません。
乙女と、女王様が、コロコロ入れ替わります。

僕は、漢字で名前を書きました。すると今度は、シールとか色々と貼ってある可愛らしいノートみたいなものを取り出して、真っ白なページを開きながら
『メールアドレス』
と、僕の方を見ずに、一言だけボソッと言いました。
彼女の横顔を見ると、耳まで赤くなっています。
僕は、本気で惚れました。

有頂天でメールアドレスと、携帯番号も書いてみました。そして、facetimeもやってると説明しながらノートを返しました。

すると、彼女がカバンから小さなポシェット?みたいなものを取り出し、キッチンの方に行きました。
トイレかな?と思って、黙って待っていると、僕のiPhoneに着信がありました。
見ると、facetimeで、見たことのないアドレスからでした。
出ると、ユリアが映りました。
彼女は、画面の中でニコッと笑うと
『登録しといてね』
と、上機嫌で言ってくれました。

そして、すぐに部屋に戻ってくると、僕に太ももが触れるくらいの近さに座りました。
僕は、一気に緊張しました。

緊張しすぎて、ユリアの方を一切見られなくなりました。
こんな緊張しながらDVDを見たことはありません。

すると、今度は彼女の頭が、僕の腕に当たりました。
彼女が、僕に体をもたれさせてきました。
彼女の良い匂いがして、クラクラしてきました。

鈍い僕でも、これはOKのサインだとわかります。
でも、悲しいかな、経験がないのでどうして良いのかわかりません。

あの憧れの天使が、すぐ横にいて、OKのサインを出している。
心臓が体から飛び出しそうなくらい早く脈打っています。

そんな情けない僕ですが、彼女はさらに僕の手を握ってきました。
彼女の手は、汗ですごく湿っていて、微妙に震えている感じでした。
僕は、やっと気がつきました。彼女も、勇気を持って頑張ってくれていることに、、、

僕は、逮捕されて、国際問題になっても後悔しないと決意して、思い切って彼女にキスをすることにしました。

彼女の方を向き、顔を彼女の顔に近づけていきます。
悲鳴を上げられて、逮捕される自分を強く想像しながら、勇気を奮い起こして顔を近づけると、奇跡が起きました。
彼女の方も、すっと目を閉じて、顔を持ち上げてくれました。

こんなにも美しいキス待ちの顔は、映画でも見たことがないです。
でも、そこまでしながら、僕は何も出来ませんでした。経験もないですし、結局そこまでの勇気もありませんでした、、、

目を閉じて待っていてくれたユリアですが、しばらくして目を開けました。そして、眉間にしわを寄せながら、
『信じられない、、、』
と、苛立ちながら言いました。
「ゴ、ゴメンなさい!」
慌てて僕は謝りますが、彼女は苛立った感じで、
『ユウも、いじめて欲しいの? そういう趣味なの?』
と、言いました。
僕は、はっきり言って意味がわかりませんでしたが、ユリアの勢いに、
「はい、そうです、ゴメンなさい」
と、答えてしまいました。

『あのジジイと一緒だ、、、』
ユリアは、吐き捨てるように言うと、黙ってカバンを開けました。
そして、皮のバンドみたいなものを取り出すと、
『ほら、あっち向きなさい』
と、冷たく言いました。僕は、言われるままに後ろを向きました。
するとすぐにユリアが僕の腕を取り、後ろ手にすると、皮のバンドみたいなもので拘束しました。左右が連結されているので、腕の自由が完全に奪われてしまいました。
「え? これって、なに? どうして?」
パニックになってそう言う僕を、ユリアは後ろからドンと押して、床に倒しました。後ろ手に縛られているので、バランスを取ることも出来ずに、顔から床に倒れ込んで、結構痛かったです。

『いじめられて嬉しいでしょ? ホント、なんで私の周りは、こんなのばっかりかな?』
ユリアは、イライラした感じのまま、僕のズボンを脱がせ始めました。
足は自由に動くので、抵抗しようと思えば、いくらでも抵抗できた僕ですが、ラッキーと思う僕もいて、微妙に体を動かしながら、ユリアに協力して脱がせやすくしました。
『なに、脱がせやすくしてるの? 変態』
冷たく吐き捨てるように言うユリア。
やはり、美しすぎる彼女には、こういう氷の女王様のようなキャラのほうが似合うなと思いながら、
「ゴメンなさい」
と、謝りました。

自分では、どちらかというとMなのかな?と、多少は思っていましたが、はっきりと自分はMだと自覚しました。ユリアに、冷たくさげすむように言われると、ゾクゾクするほど興奮しました。
そして、下半身丸出しになった僕は、ユリアのさげすむような態度に、興奮して勃起していました。
ユリアは、僕の勃起したアレを思い切り平手打ちしながら、
『なに小汚いもの大きくしてるの? 大っきくなっても、小さいけどw』
と、氷のような冷たさで言いました。

アレを思い切り平手で叩かれて、息も出来ないほどの苦しさが僕を襲っていました。ただ、叩かれたのが睾丸ではなかったので、泣くほどではありませんでした。でも、こんな年下の女の子に、僕は完全にビビっていました。
「ゴメンなさい! すいませんでした!」
必死で謝る僕に、
『ホント、情けない、、、』
ユリアは吐き捨てるように言い、僕の顔にツバを吐きかけました。顔に暖かい液体を感じ、あろう事か僕は、興奮して嬉しいとさえ思っていました。憧れていた超絶美少女に、唾液をかけられて、、、 いや、かけてもらえて、心底幸せでした。

『こんな事されて、なにビクンビクンさせてるの? 変態!』
そう言って、ユリアはまた僕のアレをビンタしました、、、 さっきとは違って、心の準備も出来ていたので、ショックはありませんでした。

そして僕は、後ろ手に縛られて、情けなく勃起したアレをさらしたまま、床にくの字型に横たわっていました。
ユリアは、カバンの中から取り出した手袋をはめ出しました。それは、普通の手袋ではなく、医療現場とかで使うような、手にフィットした薄手のヤツでした。
そして、無言のまま僕の体をコントロールして、四つん這いにしました。はっきり言って、アスリートとは言え小娘の力ですから、僕が抵抗すれば何も出来なかったと思います。でも、僕は抵抗するどころか、ユリアの動きを手伝うように体を動かして、自ら望んで四つん這いになりました。

憧れの美少女の前で、下半身裸で四つん這いになっている、、、 アレも、睾丸も、アナルすらさらして、恥ずかしい姿を続ける僕。
ユリアは、何も言いません。動きもなく、ただ静寂が続きます。でも、確実に僕のことを後ろから見ているのはわかります。
そう思うと、勃起が150%になり、時折ビクンビクンと脈打つように動いてしまいます。
それもすべて見られている、、、 そう思うと、羞恥心で顔が真っ赤になります。

5分、10分と、この状態が続きます。僕は、羞恥と興奮で、気が変になりそうでした。

すると、本当にいきなり、ユリアの指が僕のアナルに突き刺さりました。いつの間に塗ったのか、ローションがたっぷり指に絡んでいたようで、美しく、白く細い人差し指が、一気にアナルに根元まで入りました。

過去に、アナルで何かしたことなど当然ないので、それは初体験でした。ネットなどでいう、アーッ!の場面でしたが、意外なことに痛みはありませんでした。ユリアの指が細かったこともあるのかも知れませんが、痛みは全くなく、違和感が強烈でした。

ユリアが、
『いきなり入っちゃうんだw やっぱり変態w ここでいつも遊んでるんでしょ?』
と、吐き捨てるように言います。でも、その言い方が、僕にはたまりませんでした。
ただ、そこで遊んだことなどないので、素直にそう言いました。
『ふ?んw 初めてなんだw 忘れられない夜にしてあげるから』
冷たい口調でそう言うと、僕のアナルの中に入れた指を動かし始めました。僕は、違和感が大きくて、早く抜いて欲しいと思っていましたが、指が動いた途端、何とも言えない感覚になりました。

上手く言葉で言えない初めての感覚。幸福感というか、ジワジワと湧き上がってくるような、射精の快感とは違う感覚。いつものオナニーとはまったく違う感覚に、戸惑いました。
しいて言えば、僕はオナニーの時に乳首を触るクセがあるのですが、その感覚に似ていました。

『なにこれw こんなに前立腺がクッキリしてるなんて、凄くわかりやすいw』
そう言って、ユリアはさらに指をグリグリと動かします。
「アァッ! うぅ、、 あっ!!」
ユリアの指の動きに合わせて、どうしても声が漏れてしまいます。違和感とか、気持ち悪いとか言う感じで声が出るのではなく、はっきりと快感を感じて、声が漏れていきます。
『凄いねw ユウは、いきなり最初から感じちゃうんだw 素質ありすぎだねw』
ユリアはさっきまでの冷たい口調ではなく、楽しそうな感じで言いました。

「ぅぅ、 アァッ!! ンッ!!」
ユリアが、グリグリ指を動かして、的確に僕の前立腺を刺激していきます。あとで知ったことですが、アナルで感じるようになるには、かなり長い時間がかかるそうです。どれだけやっても、感じない人もいるそうです。
僕は、言ってみれば、処女が初めてのセックスで感じるような状況でした。
オナニーで、乳首を開発していたことが影響していたのかも知れません。

『可愛い声w じゃあ、これ外すから、裸になりなさい』
冷たく僕に命じながら、後ろ手にはまっていた皮の手錠を外してくれました。
僕は、自由になっても、彼女に抵抗することもなく、黙って服を脱ぎました。全裸の僕に、着衣のユリア。主従関係が鮮明になっています。

『ほら、仰向けで、自分で足首掴んでごらんw』
今度は、彼女の表情もよく見えます。馬鹿にしたような感じで言う彼女。半笑いのユリアの顔が、僕のM心をくすぐります。

そして、言われるままに僕はその格好をしました。M字開脚とでも言うのでしょうか?とにかく恥ずかしい格好でした。
『ホント、恥ずかしくないの? キモいんだけどw』
さげすむように言うと、いきなり僕のアナルに指を突っ込みました。今度は、さっきと違って2本だったので、少し痛かったです。でも、少しでした。初めてのアナルプレイなのに、それほど痛みを感じない僕は、素質があるんでしょうか?

「フゥあぁうぅ」
2本を根元まで入れられて、痛みもあってか、変な声が出ました。
『なにそれw 2本でも全然OKなんだw ほら、サービスw』
ユリアはそう言うと、いったん指を抜き、一気に3本を入れてきました。
さすがに痛くて、
「い、痛いっ!」
と、叫んでしまいました。でも、ユリアはニヤニヤしたまま、指を雑に動かし始めました。
すると、睾丸の下というか、奥の方に強い快感が生まれました。さっきの指1本の時は、ほのかな快感といった感じでしたが、今感じている快感は、声が我慢できないレベルでした。
「うぅあっ! あっ! あぁぁっ!」
『可愛い声w ユウは、女の子だねw ほら、もっと鳴いてごらん』
ユリアはそう言うと、指3本を掻き出すように動かします。
「ダ、ダメっ! ダメだよ! アァッ! こ、こんな! 気持ち良くて怖い!!」
僕は、軽いパニックでした。射精よりも気持ち良いのが連続して続く。どうかなってしまいそうで怖かったです。
そして何よりも、ユリアのプレイがあまりにも上手なのに驚きます。男をいじめて責めるのに、照れも躊躇もなく、やり慣れている感じです。

『ほらほら、これ、コリコリしてるw 何ダラダラ垂らしてるの? 気持ち悪い』
そう言って、僕のアレの先からとめどなくあふれているガマン汁を、指でぬぐうと、僕の口の中に突っ込んできました。
ラテックスの手袋の感触と、自分のガマン汁のしょっぱさが口に広がります。でも、僕はユリアの指を、しゃぶるように舐めました。そうしなければいけないと、なぜか思ったからです。もう僕は、ユリアの立派な奴隷なのかも知れません。
でも、彼女の奴隷なら、喜んでなりたいと思う僕もいます。

それにしても、本当に恐怖を感じるくらいの快感です。そして、ダラダラと驚くほどの量が流れ出るガマン汁。こんなのは初めての経験です。

「ダメっ! ダメーっ! 止めて! 止めて下さいっ!! あぁっ!!」
僕は、恐怖のあまり叫んでいました。
すると、ユリアは指を抜いてくれました。僕は、半泣きでユリアを見つめました。
『可愛い顔w 怖かったの? 大丈夫、ほら、ご褒美』
ユリアはそう言うと、僕の口に唾液を垂らしてきました。
僕は、慌てて口を目一杯開けました。口を閉じるのではなく、とっさに大きく開ける僕は、やはりMなんだと思います。

美しいユリアの口から、一筋透明の液体が僕の口の中に入って来ます。
口の中に暖かい感触が広がった途端、信じられないくらいの幸福感が僕を襲いました。
『美味しい?』
ユリアが、無表情で言います。ゾクッとするくらいの美貌ですが、彼女はまだ小娘です。本当に、末恐ろしいです。
僕は、即答しました。
「美味しいです! も、もっと下さい!」
すると、ユリアは眉間にしわを寄せて、僕の口の中にペッとツバを吐きました。
『変態』
彼女の吐きかけたツバは、僕の口の中にも入りましたが、顔にもかかりました。でも、ユリアの冷たい顔や、吐き捨てるような言い方に、痺れるほどの快感を感じてしまいました。

僕は、少し呆けたようになっていましたが、彼女はまたカバンから何か取り出しました。
それは、男性器の形をしていました。そして、何かベルトもついています。
ユリアは、いきなりズボンを脱ぐと、ショーツ姿になりました。可愛らしい、少女趣味なフリフリのピンク色のショーツ姿を見て、異様に興奮しました。
まさかこんな姿まで見られるなんて、ラッキーという言葉では足りないくらいです。

そして、彼女はそれを装着しました。いわゆるペニスバンドです。
妖精のように美しい少女に、黒い大きなものがそそり立っている、、、
それは、僕のものよりも大きいくらいで、存在感が凄かったです。そして何よりも、あのユリアがこんな姿をしていることに、息が止まりそうなほどの興奮が襲います。