<トロブリアント島(ニューギニアの東に位置するポリネシア諸島の一つ)>
     
トロブリアント島の原住民はセックスについて、極めて自由な状態におかれている。
    
子供たちはかれらだけの独立した自由と集団をもち、自由と独立はそのまま性的な面にも拡大されていく。かれらは早くから家のなかで行われる年長者の性生活を目撃しているし、仲間からも教えられる。彼らの遊びは、森からとってきた果物やビーズ、キンマや椰子の実を互いに交換し、それからどこかへかくれてセックスする。
     
そうかと思うと、家造りをしたり、ままごとをしたり、夫婦ごっこをしたり、または一団となって年長者をまねて“愛のピクニック”に出かけたりする。ピクニックは景色のよい海岸とか、珊瑚礁の丘で、そこで料理をしたり、森の果実をつんだりする。男の子たちは珍しい動物や昆虫、花などを捜してきて女の子に贈り、女の子はそのお礼に未熟なセックスを返す。(トロブリアント島を1914年から足かけ5年間調査したポーランド生まれの人類学者)マリノフスキー教授は、「その遊びのなかには、非凡なロマンチックな感覚が光っている」と記している。
     
※その他太平洋地域の事例として、この他にトラック諸島やマルケサス諸島などでも性に極めて開放的であったことの記録が残っています。