日本人がガンガン“性”楽しんでいた昔、欧米人は禁欲生活
     
江戸文化史研究の第一人者で、法◯大学教授の田中◯子氏が興味深い示唆を与えてくれた。
田中氏には、浮世絵研究家・白倉◯彦氏との共著『江戸女の◯と恋――若◯好み』(学研刊)などがある。
     
「性に関するタブーのほとんどは西欧文化、特にキリスト教的宗教観の強い影響の下にあります。日本は明治維新とともに、政治と社会制度や経済体制、教育システムを刷新するだけでなく、性のタブーも受け入れてしまったのです」(田中氏)
     
キリスト教的セックス観はいたってシンプルだ。性の営みは子孫繁栄のためにだけ存在するものであり、愉悦や快楽が介在してはいけない、というものだ。
     
「オーラルセックスやゲイなど生殖に関係ないセックスは、法律で厳しく罰せられました」(田中氏)
     
欧米の一部では、今もこれらのセックスを禁止する法律が存在する。
“正常位”がカトリックの定めた“正しい体位”であり、後背位は獣と同じと否定されていたことも有名だ。
ちなみに、江戸期に正常位は存在せず、この体位は“四つ手”と呼ばれていた。
     
田中氏も笑う。「そもそも江戸の性には、正常と異常の境界線がなかったんです」
     
欧米では、オナニーも生殖に直結しないという理由で罪悪視され続けた。
ところが、江戸の自慰観は実に健全なうえ、医学的見地にも立脚している。
江戸の性指南書『閨中紀聞枕文庫』は「男女とも若時婬欲をこらへるも頗(すこぶ)る毒なり」と看破しているのだ。
     
「おまけに西欧では女の性が抑圧され、快感はもちろん性欲すら抱いてはいけないという理不尽ぶりです」(田中氏)