mako1988

私たちのエッチな体験談

私のエッチな体験・皆のエッチな体験、ネットで拾ったエッチな体験の話をいっぱい掲載

2020年03月

28 3月

研修にて

23歳のときのことです。
長期の研修が東京で開催され、私はそれに参加しました。
研修は、全国から同業者が集い、仕事の内容や問題点について
皆で話し合い、検討し、学んでいくというもの。
経験も浅く、(もう大人なのに)人見知りもする私は、
皆に着いていくだけでいっぱいいっぱいでした。

それでも数日が過ぎ、何度か皆で一緒にお酒も飲み、
ようやく少しリラックスし始めたころ、
同じチームだったRさんという人に誘われて
彼の部屋で飲むことになりました。

最初はお互い少しぎこちなかったのですが、
強めのお酒(Rさんの街の地酒でした)を飲みながら
仕事のこと、職場のこと、将来の夢の話、好きな芸能人の話、
そんなたわいの無い話をしているうちに、緊張もほぐれてきました。

…そんな風に和気あいあいと話していたにもかかわらず、
私の頭の中は、いやらしいことでいっぱいだったんです。

私がオナニーを覚えたのは、10歳と早く、
それ以来ほぼ毎日のようにしていたのですが、
10代後半からろくな恋愛に恵まれず、エッチする機会もありませんでした。

お酒の力にも後押しされたのかもしれないけれど、
だからそのときの私は、たぶん思春期の男性なみに
してみたくてたまらなかったのです。
Rさんは、シャイな感じで優しくてユーモアがある男性で、
この人としてみたい!と強く強く思いました。

だから、二人して深酔いした午前二時ころ。
私はRさんに、
「もう眠くてたまらないから少しベッドで横にならせてください」
と言いました。

Rさんはいいよ、と言い、
俺も寝る、と言って私の隣で横になりました。

しばらくはお互いじっとしていたのですが、
そのうちRさんは私の髪を撫で始めました。

私が甘えた声で「何するのー?」と尋ねたら、
Rさんは「男と女がベッドの中ですることは一つやろ」といい、
キスをしてきました。

まぶた、頬、耳、首筋、また唇、今度は深いキス。
そうして丁寧にキスをされているうちに、
気づいたら声が我慢できなくなっていました。

「やあん」と小さく喘ぐ私を見て、
今度はTシャツの上からノーブラの胸を愛撫し始めるRさん。
優しく揉まれ、乳首をこりこりされると、「んっ」と強めの声が出てしまいました。
それでもあくまで優しく、丁寧に愛撫を続けられているうちに、
お酒で弛緩した脳と身体のせいか、全身が性感帯みたいな感じがして、
恥ずかしいくらいビショビショに濡れてしまいました。

おっぱいを中心に優しく愛撫していたRさんが
ようやく私の下着を脱がせたとき、
私は糸を引くくらい濡れていました。
「すごい濡れとうね」というRさんに、
見栄を張ってしまい「半年振りくらいだから…」と答える私。
(半年どころか23年振りのくせに)

そして、Rさんはようやく性器に触れてくれました。
それは、つっ、と指を割れ目に沿って撫で上げただけの刺激でしたが、
それだけですごく気持ちよくて、私は思わず「ぁあんっ!!」と
大きな声を出してしまいました。

それまであくまで優しく、囁くようにお喋りしながらの愛撫だったのに、
私のその声を聞いて、Rさんの動きが止まりました。
そして、急に、私の中におちんちんを入れてきました。

突然の強い刺激に、「んんっ!」と呻く私。

よく濡れていたせいか、ほとんど痛みも感じず、
Rさんのおちんちんの圧迫感と中で擦れる感じが気持ちよくて、
壁が薄い作りの寄宿舎だったから、それまで結構声を我慢していたのに
押さえきれず「んっ、んっ」と喘いでしまいました。
それどころか、自分から腰も動かしてしまいました。初めてなのに。

だけど、研修のせいで久し振りのセックスだったRさんは、
あっさりと果ててしまいました。
「ごめんね、いつもはこんなに早くないんだけど…」と謝る彼。
その様子が可愛くて、「いいよ、すっごく気持ちよかった」と言い、
Rさんを抱きしめました。

そのあと、ベッドの中で少しまったりした後に、
また深いキスをして、そうっと自室に戻りました。

途中寄ったお手洗いで用を足したとき、
まだ中にRさんのおちんちんの感覚が残っていて、
不思議なような恥ずかしいような気持ちになったのを覚えています。

研修を終えてそれぞれの街に戻り、
しばらくはメールのやり取りをしていましたが、
いつしかそれも途絶えました。

もう彼とも二度と会うことはないでしょう。
だけど私は、一生この夜のことを忘れないだろうなあ、と思います。
たくさん優しく、気持ちよくしてくれたRさんが
初めての人でよかったなあ、とも思います。

これが私の初体験の話です。
長文の上、あまりいやらしく書けなくてすみませんでした。



28 3月

僕子2

大学生活も体に馴染み、俺は新しい環境にすっかり順応していた。
そんなふうに言えば聞こえはいいが、
環境の変化に多少の張りがあった生活も、すっかりだれてしまったと言った方が正しいかもしれない。
しかもまさに生かすも殺すも自由な夏期休暇になると、さしてバイトも入れていない俺は悠々自適な毎日を送っていた。
同級生から僕子の噂を聴いたのは、そんな時のことだ。

就職した僕子に遠慮し、俺はしばらく連絡をとっていなかった。
正直に言うと僕子の電話番号をディスプレイに表示させて、ただ眺めるなんて事が何度かあったのだがそんな事はどうでもいい。
なんでも僕子は、就職先でかなりの才能を発揮していたらしい。
上司にも気に入られ、それなりの肩書きまでもらっているそうだ。

少しも不思議じゃない。
いかにも僕子らしい、いや僕子なら当然だろうと思った。
何故か俺が誇らしい気持ちになる。

だが重要なのは、ここからだった。
その目をかけていてくれていた女性上司が、地方で新しい店を手がける事になったらしい。
それに一緒にこいと誘われ、OKしたとの事だった。
行動派で決断の早い僕子の事だ、二つ返事でOKしたのだろう。
直接なんの連絡も来ていないことに一抹の寂しさを感じながらも、堂々と連絡する理由ができたとに俺は喜んでもいた。

「よ?う、久しぶりじゃんか?全然連絡くれないから、てっきり私捨てられたのかと思ってたよ?」
しょはなっからハイテンションで電話にでた僕子は、俺が知ってる僕子以外のなにものでもなかった。
まったく、どう話そうかとウジウジ考えてた自分が馬鹿らしくなる。
だが僕子の本領はここからだった、俺は次々とビックリさせられる事になる。

まず僕子の新天地がとんでもない僻地だという事、ちょっとやそっとで戻ってこれる場所じゃない。
しかも夏休み開けにはすぐに引っ越すという事。残りはもう一週間もなかった。
続いて、つい最近バイクで転んで怪我をしたという事。
そしてそれを期に、あんなに好きだったバイクを止めたという事。
休む間もなく突きつけられる、驚きの連続。

とりあえず二日後に会う事に。
「どこ行くか、なんだったらバイクだそうか?」
「実はさ、まだちょっと足が痛いんだぁ」
「マジで?、ホントに大丈夫なのかよ?」
「いや大した事ないんだけどさ、ちょっと出歩くのは辛いからウチこない?」
なんでも高校卒業と同時に両親は田舎に帰ってしまい、今は会社で借り上げてくれているアパートにすんでいるらしい。
「おっけーおっけー」
「手土産わすれんなよなっ」
「お前ふざけんなよ?」
数ヶ月の間話していなかったとは思えない。
高校時代そのままの、僕子との会話がめちゃくちゃ楽しかった。

待ち合わせ場所は、僕子の家の最寄り駅。
そこに現われた僕子を一目みるなり、俺はかなり動揺した。
あのスポーツ刈り頭は微塵も無く、ふわっふわのショートカットになっていた。
それは顔の小さい僕子にピッタリマッチしている。
そしてなにより、あの僕子がスカート姿だったのだ。
小柄でキュートな女の子、実際すれ違う男の視線を何度か引き付けていた。
「あぁ、僕子ってこんなに可愛いかったんだなぁ」そうシミジミ思った。

俺の視線に気づいた僕子が、コツンと蹴りをくれる。
「なによ?、私だってスカートくらい履くのよ」
チョット拗ねた様に口を尖らせる。
「あ、いやさ、予想外に似合ってたからさ」
「ドカッ」
すかさず強烈な蹴りが入る。

「イテッ!、おまえ足平気なのかよ?」
「あぁうん、たいした事ないんだって、なんか捻ったみたいになっちゃってさ違和感あるだけ」
「単独だったの?」
「実はさ…、たちゴケしちゃって…」
僕子はバツが悪そうに頭をかいてみせた。
「はぁ?、お前が?、なにやってんだよ」
「仕事帰りでボーっとしてたみたいでさ、会社からバイクやめろって言われちった」
「そっか…」
「まぁどうせ向こうにバイク持って行くのは無理だったしさ、思い切って手放したんだ」
俺は上手く言えない寂しさのような物を感じたが、僕子自身はもっとそうだっはずだ。

沈んだ空気を蹴散らすように、僕子が声を上げる。
「で、その手にもってる袋なによ?」
「あぁ、近所にケーキ屋が出来てさ、結構有名な店らしいのよ」
ケーキを受け取った僕子は、悪戯っぽい目をして言った。
「お?なんだよ、私に小細工使うようになったんだ?」
「お前が手土産もってこいっていったんだろ!」
すかさず僕子も言い返してくる。
「私がそんな図々しい事、いつ言ったよっ」
はぁ、おれは大袈裟にため息をついて見せる。

「お前っばかっ、それケーキだって、ブンブン振り回すなよっ」
「遠心力?」
僕子は、ケーキの袋を楽しそうに振り回していた。
まったく…
一緒に歩いていて思った、俺たちってずっと兄妹みたいだったな。
いや、姉弟かもしれんが…

少しドキドキしながら入ったその部屋は、いかにも僕子らしい部屋だった。
色気のあるものは皆無。
機能的で必要な物が必要な所においてある、そんな感じ。
そして部屋に不釣合いな馬鹿でかいベットだけが、やけに自己主張していた。
どうしても俺の目が、そちらに行ってしまう。
なにかよからぬ妄想をしそうになる自分と闘っていると、僕子がキッチンから皿を取り出して出てくる。
「そうそう、ケーキあるんだけど良かったら食べない?」
「俺が買ってきたんだろ」
「まぁまぁ、遠慮しないで」
「お前が遠慮しろっ」
正直助かったよ僕子。

それから俺たちは、時間を忘れて喋りあった。
こんなにも喋る内容があったのかと思うほどに。
話に合わせてクルクルと動く僕子の表情、アクションを見せる腕、滑らかに動く指先。
いくら見ていても飽きなかった。
一番多く話したのは僕子の仕事の話。
仕事の話をする僕子はイキイキと輝いていて、饒舌だった。
本当に仕事が楽しいんだな。
俺はそんな僕子を、誇らしく思い、羨ましく思い、なぜだか寂しくもあった。
実際にその仕事が、僕子を遠くへ連れ去ろうとしているわけだ。
そう思うと、俺の気持ちがますます沈んで行く。
胸と腹のあいだ辺りに押さえ込んでいた「モヤモヤ」みたいな物が、一気に膨らんだ気がした。

「お前、ホントに行っちゃうんだな」
僕子は少し間を置いてから、力強く頷いた。
「うん」

「なんか俺さ、僕子にはいつでも会えるって気がしてたんだ」
僕子は俺の目をじっと見ている。
「うん」

「また僕子とツーリング行きたいと思っててさ、行けるもんだって思ってた」
「うん」
「でももう、それは無いんだと思うと、寂しいな…」
俺は自分のつま先の辺りを見つめて、うつむいた。
ふと、自分が泣くんじゃないかと思った。

すると不意に僕子が立ち上がった、そして俺の隣にやって来てトサッと座った。
ピッタリと体が寄っていて、僕子に触れた部分がすごく熱く感じた。
「私、上司に誘われた時ね、その場ですぐについて行こうと思ったの」
俺はだまって聴いていた。
「友達の事、バイクの事、家族の事、なに一つ頭に出てこなかった」
「不思議なほど、障害になるものが何もなかったんだ」
そういうと僕子の言葉は途切れた。
でも何か真剣に考えている様子だったので、俺は黙って待った。
しばらくして僕子は小さく呟くように言った。
「でもさ、ひとつだけ、ひとつだけ頭に浮かんできたのが(俺)の事なんだ…」
俺にとって、これ以上ない衝撃の言葉だった。
後ろから頭を強くなぐられたような感覚。

「ホントは私ね、黙っていなくなるつもりだったんだよ」
「だから(俺)から電話が来た時はビックリした」
ゆっくりと、独り言のように話す僕子。
「昨日さ美容院いって、スカートも買ってきた」
そういって良く似合っているスカートの裾を引っ張っる。
「めちゃくちゃ緊張したぞ」
照れくさそうに笑ってみせる僕子。

だけど僕子はまたすぐ真面目な顔に戻る。
「ツーリング行った日の夜さ、私の胸揉んだ事覚えてる?」
俺の心臓が驚いて、変な音を立てた。
もちろん忘れる訳がない、いや忘れられる訳がない。
だがその時俺は、パンチの連打を浴びたボクサーのような状態。
さっきからの強烈な言葉にすっかり参っていた俺は、首を立てに振るだけで精一杯。

「一緒に付いて来てくれない?って真剣な顔の上司の前でさ、何故だか私(俺)に胸揉まれた時の事思い出してんの」
そう言うと僕子は、自分の膝に顔を突っ伏して可笑しそうに笑った。
いつまでもそうして肩を震わせているものだから、俺は一瞬僕子が泣いているのかと思った。
次の瞬間サッと顔を上げ、俺の顔を見つめてきた。
柔らかなやさしい目。
「あの時私の事、抱きしめようとしてたでしょ?」
「うん」
「隣にみんながいたしさ、私恐くなって突き飛ばしちゃったの」
俺はあの時の、裸で胸を隠す僕子の姿を思い出していた。
僕子はコクリと喉を鳴らすと、俺の目を見たまま言った。

「でもさ、私今なら突き飛ばさないと思うんだ…」

KOパンチだった。
目の前がチラチラして頭が真っ白になった。
これは、行かなきゃ駄目だよな。
俺は最後の力を振り絞るようにして、肩に腕をまわす。
そしてぎこちなく僕子の体を引き寄せる。
とたんに俺は僕子の匂いに包まれる。
俺の胸で、僕子が大きく息をつくのが解かった。
なんて細くて小さいんだ。
あの生き生きとみなぎるパワーが、この体から出てくるなんて信じられない。
僕子の手が俺の背中にまわりしっかりとつかまれた時、俺の頭の中は僕子だけになった。

僕子の裸は透き通るほどに真っ白で、俺が触れた場所だけ赤みを帯びた。
俺は僕子の体を、隅ずみまで赤くさせるので夢中になった。
最初はされるがままだった僕子も、しばらくすると俺の体を撫でてくる。
少しひんやりとした、柔らかな手で触られるのは夢のような心地だった。
ただ触れ合うっていう単純な行為が、とんでもなく気持ちの良い事だと俺は初めて知った。

財布から前日忍ばせたゴムを取り出したときの、僕子の茶化すような目が忘れられない。
「なんでそんな物が入ってるんですか?」そんな風に笑っているようだった。
なにか全て見透かされている気がして、俺の顔はその日で一番赤くなった。
俺はそれを誤魔化すように、乱暴に僕子に覆いかぶさる。

しばらくすると俺の動きに合わせて、僕子は時折小さな声を上げるようになっていた。
俺はその声がもっと聴きたくて、必死で体を動かす。
僕子は首を反らせ小さな顔を火照らしていた、何かに耐えるように強く目をつぶっている。
小さく開いた口からは絶えず熱い息が吐き出され、時折耐えかねたように悲鳴のような小さな声が漏れる。
白い手はシーツを強く握り締め、さざなみの様なしわを作っていた。
そして僕子の小ぶりで張りのある胸が、弾むように上下に動く。
なんだか幻想的な姿だった。
いつまでもこのままいたい、そう思った。

夢のような出来事なんて、いつだって一瞬ではかない。
俺はすぐに耐えられなくなり、僕子の隣に倒れこんだ。
急速に体から熱が逃げてゆく。
充実感と気だるさ、まるで正反対の波に漂いながら
体を離した後も、二人そのままの姿で長い事寝転んでいた。

気が付くと僕子の手が、俺の手をしっかりと握っている。
長い事一緒にいたが、手を握る事なんてなかったな。
このままずっと握っていれば、僕子はどこにも行かないんじゃないか?
そんな子供じみた事を考えたりした。
しかし俺は、僕子の事を良く知っている。
僕子は行動を始めたら、なにかに未練を残したり後ろを振り返ったりするような奴じゃない。
全てを捨てて、全力で前に向かっていく。
今までもそうだったし、そしてキットこれからも。
そしてだからこそ俺に体を許したんじゃないか、そんな気がした。
僕子は軽く目を閉じ穏やかな顔をしていた、呼吸に合わせてゆっくりと胸の膨らみが上下している。
俺はそれをいつまでも眺めていた。

夕方から用事があるという僕子は、俺を駅まで送ると言った。
用事があるなんて嘘だろうと、俺はすぐにわかった。
だが俺だって男だ、僕子の気持ちも察っしていたし覚悟もできていた。
外に一歩出ると、なんらいつもと変わらない空気。
部屋のなかでの、ついさっきまでの出来事が嘘のようだった。

俺たちはいつもと同じように冗談を言いながら歩いていたが、駅が視界に入った時、僕子が突然腕をつかみしなだれかかって来た。
最後の本当に短い時間を、俺達は無言で歩いた。
駅の近さを呪うなんて、おかしな話だ。

僕子の腕がゆっくり離れていった時、俺は深い喪失感みたいなものを感じた。
僕子は俺の腕を放すと、スキップするみたいに ひょいっひょいっと 後ろに下がる。
そして片手を上げるとニコッと笑って言った。

「じゃ?な」

俺は胸がひしゃげた。
その じゃ?な の意味するところを悟ったからだ。
それは「またな」とかいうニュアンスの物では無かった、本当のさようなら そういった響きだった。
お互い頑張ろうな、そんなふうにも聴こえた。
すぐに気を取り直した俺も、僕子の目をしっかり見つめて想いをぶつけてやった。

「僕子、じゃ?な」

僕子も一瞬ハッとした顔をしたが、すぐに顔をクシャっとさせて笑った。
その表情は、笑っているようにも泣いているようにも見えた。
俺はクルリと背を向け歩き出すと、もう二度と後ろは振り返らなかった。
振り返ったりしたら僕子に笑われる、きっとがっかりさせる、そんなふうに思ったんだ。
僕子の視線を背中に感じながら、俺は構内へと入っていった。
夏が終わろうとし始めている、そんな頃の話だ。

休みが開け、普段の日常が始まれば時間なんてあっという間だ。
時の流れなんてエスカレータみたいなもんで、いくら俺が立ち止まっていようとグングン進んでいってしまう。
僕子の事も、今ではなんだか昔の出来事に感じる。
その年の暮れの頃だったか
俺は一度だけ僕子の携帯に電話をしてみたんだが、その番号はもう使われていなかった。
「あぁ、あいつ頑張ってるんだな」
そう思って俺はひとりでニヤッと笑ったものだ、清々しい気持ちだった。
僕子もたまに、俺の事を思い出したりしてくれるのだろうか。
そうであってくれれば嬉しいのだが、あいつは意外と冷たい奴だからな。

俺には今、付き合っている子がいる。
僕子とは全てに置いて正反対のような子だ。
のんびり屋でおっとりしていて、部屋のヌイグルミに名前をつけるような子だ。
俺の携帯の通話履歴やメールは、今や八割方この子の名前で占領されている。

だけど俺の携帯のアドレスには、今でも僕子の番号が残っている。
もう使われてもいない番号だが、この先も消す事はないだろう。
女々しいとか言うなよ、これくらいはいいだろ?
この番号は俺にとって特別、お守りみたいなものなんだから。

これで俺と僕子の話は完全に終わりなんだが、最近ひとつだけ思っている事があるんだ。
それは、僕子がバイクで足を怪我した事。
あれは嘘だったんじゃないのかと、最近思ってるんだ。
小さな体でも、自在にバイクを操っていた僕子。
いくら疲れていたって、あの僕子が立ちゴケなんてどうしたって考えられない。
それにあの日僕子は、外傷どころか特に足をかばってる様子もなかった。
会社にバイクをやめろと言われたのは本当かもしれない。
向こうに持っていくのも無理だったのだろう。
でも立ちゴケして、足を怪我したなんていうのは嘘だ。
それはあの日、俺を部屋に誘うための嘘だったんじゃないか?そんな風に思うんだがどうだろう?
これはあまりにも都合の良い考えだろうか?

もしもいつか僕子と再会する事があったら、この事を聞いてやろうと思ってる。
そうしたらきっと僕子は、俺の大好きだったいたずらっぽい目を見せて笑い、蹴りを入れてくる
そんな風に思うんだ。

              ー完ー

28 3月

僕子

「僕子」と呼ぼう。
高校の同級生に、ボーイッシュな女の子がいた。
華奢だけれどパワフル、一人称は「わたし」だが少し乱暴な言葉使い、下ネタにも顔色一つ変えない。
胸も小さく校内ではいつもジャージ姿で、スカートをはいている所をホトンド見たことがなかった。
中型バイクを乗り回し、平気で雑魚寝・野宿をするような子だ。
けれど嫌味な感じはなく、自然に女を意識させないそんな感じ。
工業高校で周りが男ばかりというのもあったのかもしれないが、仲の良い男友達のウチの一人という扱いだった。

そんな僕子だが、俺は意外な一面を見たことがある。
渡り廊下ですれ違った僕子と、冗談を交わしていた時だ
グラッ
そんな音が聴こえるような揺れだった、俺も一瞬びくっとするほどの地震。

「ヒャッ」
黄色と桃色を足したような、甘い声だった。
僕子の白い手が、俺の制服の襟元をしっかり握っている。
すぐに収まった揺れに、落ち着きを取り戻した俺。
「お前、なんて声だしてんだよ」
「あ…」
みるみる顔色の変わっていく僕子。
そして襟をいっそう強く握られ、俺は壁にドンと押し付けられた。
「い、今のなし…」
僕子は顔を下に向けたまま小さくつぶやいた、イヤ正確には顔を上げられなかったのだろう。
「ブフッ」
たまらず吹き出した、可笑しくてしかたなかった。
クラスの仲間に見せてやりたかったぐらいだ。

皆の進路も大体決まり、登校日も減った頃の事。
卒業旅行というわけではないが、クラスのバイク仲間でツーリングに出かけた。
俺、僕子、他の男二人。
かなり長距離を走り、コンドミニアムとは名ばかりのプレハブ小屋についたのは夕方の事だった。
体力にはソコソコ自信のある俺でさえ、疲労で腕がシビレ、尻が痛い。
男でさえそうだというのに、僕子はピンピンして軽口を叩いていやがる。
ぎこちなく歩いていた俺の尻を、パーンと叩いて
なんだよ、だらしね?ぞ?
というような顔で笑いやがった。
やっぱアイツはスゲーな…
口にはださないが、日頃から認めざるえない事だ

破格の安い料金なのだから文句は言えないが、宿泊場所はチャチな作りだった。
軽く料理の出来る台所と、8畳ほどの畳の部屋。
色気も何もあったもんじゃねぇ、テレビすらねぇときた。
ところが、備品で麻雀牌が借りられる事が解かったのだ。
「お?、麻雀牌あるみたいだぞ」
「おお、やろうぜやろうぜ」
色めき立つ男ども。
「三麻ってどうやるんだっけ?、マンズ抜くんだっけか?」
「大丈夫、俺ルールしってるからかりに行こうぜ」
その時、畳の上に大の字で寝転がって伸びをしていた僕子がヒョイと首をあげた。
「ん?、わたしも麻雀できるぜ?」
「なっ、マジで?」
「さすが僕子!」
「お前カッコイイなぁ?」
僕子はそしらぬ顔をしていたが、まんざらでもなさそうだった。
誰もこの時には、後に待ち受けている出来事なんて露ほども想像していなかった事だろう。

なにもないが滅茶苦茶楽しかった、コンビニで仕入れてきたレトルトや惣菜が不思議なほど美味かった。
僕子とから揚げを取り合いながら、ビールを飲む。
本当は飲めない俺が、その場の勢いで1缶開けて自分のガキ心を満足させていた。
だがビール2缶飲んだ上に、俺の口をつけただけの2缶目まで綺麗に飲み干した僕子を見てションボリ。
酔いのせいか、僕子とかなりじゃれた覚えがある。
そんな流れのまま、メインイベントの麻雀へと突入したのだ。

「レートどうするべ?、点5くらい?」
「点5ってどれくらいだっけ?」
「千点50円だよ、箱で1500円」
「えーまてよ、俺全然金ねー」
いつも特に金の無い、「金無し」が真っ先に言った。
なにしろ貧乏高校生どもだから金なんてある訳がない。
すると器用に牌を積んでいた僕子が
「麻雀、賭けずにやっても面白くないじゃん」
事もなげに言いやがった。
うおっ、ノーレートでやろうと言おうとした俺が恥ずかしい…
他の男二人も同じ気持ちだったろう。

「脱衣麻雀にするかっ!」金無しの言葉だった。
「おお?、面白れぇかも」
もう一人がニヤニヤしながら、手をポンと鳴らす。
「はぁ?、馬鹿じゃないの」
さすがの僕子も、焦って甲高い声を上げた。
今まで観た事の無い、僕子の慌てふためく姿に俺は調子に乗っていた。
「?10ごとに一枚脱ぐって事にすると丁度よさそうだな」
「明日も早いし、ハンチャン2回くらいか」
顔を少し赤くし始めた僕子から、目が離せなかった。
「まてって、お前らの裸なんて見たくねぇ?しっ」
ムキなって抵抗していた僕子だが
「なんだよ僕子?、お前恥ずかしがるようなタイプじゃないじゃん」
何の気無しに言った俺の言葉が、予想もしない効果を見せた。
一瞬「え?」という顔をした僕子。
「ま、まぁ、そうだけどさ…」
一気にトーンが落ちていく。
「よーし開局開局?」
俺は揺れる僕子にとどめをさすように、サイをほうり投げた。

俺にしたって実戦経験がそれ程豊富という訳ではなかったし、別に僕子を狙い打とうなんて浮かびさえしなかった。
金無しにいたっては、完全に「絵合わせ」「初心者」レベルだという事がすぐ解かった。
それに比べ僕子はナカナカ打てるようだ、キチンと押し引きが出来ている。
「脱衣」なんてことはスッポリ抜け落ち、純粋に麻雀を楽しんだ。
金無しがリーのみカンチャンを二度も一発でつもったり、俺が初のリャンペーコーを上がったり、僕子が白中さらしてビビらせたりと大盛り上がり。
終わってみればかなりのいい勝負。
僕子が-10程、金無しが-20程だった。

怪しげな鼻歌を歌いながら靴下をほッぽり、シャツをシナシナと脱ぐ金無し。
俺たちは下品な手拍子と喝采を送る。
僕子は体育座りの格好で足をチョコンと浮かすと、スポンスポンと両足の靴下を引っこ抜きほうり投げた。
目に飛び込んできたのは僕子の小さな足の指、赤みがかっていてまん丸で女の子の指だった。
ドキッとして顔を上げると、両膝を胸に抱え込みその上にチョンと頬を乗せている僕子と視線が絡む。
「なんだよ?」目が挑戦的にそういっている。
俺は慌てて目をそらした。

夢中になっていたらしい、気が付けばかなり良い時間になっていた。
早く終わらすため&メリハリをつける為に最後のハンチャンを「割れ目」でやる事に。
金無しに「割れ目」を説明する僕子は、このルールが自分を剥く事になるなんて思っていなかっただろう。
その場に居る誰もが思っていなかったはずだ。

ラスあがりの俺がサイをふる、自5そして自9
「俺が起家か?」
もう一度振ると出た目は右10、僕子の割れだった。
「よーし、一気に終わらすよん」
僕子は歌うように言って、俺にウインクしてきやがった。
「なんだよ、俺狙いかよっ」
嵐の前の静けさ、和やかな笑い。
親の俺の配牌はまったくやる気がない、出来面子がないうえペンチャンが目立つ。
唯一光ってるドラトイツをなんとか生かしたいよな?
赤セットが集まってきた時などもそうだが、こんな時はえてして手が進まない物だ。
だがこの日の俺のツモは凄まじかった、面白いようにシャンテン数を減らしていく。
しかし、それは俺だけではなかったようだ。
6巡目ぐらいだったろうか、僕子の張りのある声が響いた
「リーチ!」
「げっ、はえ?」
「マジかよ、割れリーかよ?」
僕子は得意満面という感じで、俺に目配せしてきやがる。
俺にだせってことか…
わけのわからん「一発ツモの歌」とかいうのを楽しそうに歌い始める。
対面、金無しと二人とも安牌を手出し。

実はこの時俺の手はイーシャンテン。
待ち牌はドラトイツとのシャボ受けと、カンチャン一つ。
ちと厳しいし、危険牌なら当然降りる気でいた。
ところが、ツモってきたのが事もあろうかドラ牌。
おれはのけぞった、出上がりは効かないカンチャンだがリーチすればマンガンか…
チラリと僕子を見ると、ニヤニヤ笑ってやがる。
ムクムクと日頃の対抗心が首をもたげる。
ここで振っても笑いが取れそうだな、よしっ! 俺は決めた
「とーらばリーチ!」
僕子の顔からみるみる血の気が引いていくのが解かった。
反して場は一気に盛り上がる。

恐る恐るツモ牌に手を伸ばす僕子の顔が忘れられない。
それはもう、完全にか弱い女の子の顔だった。
あまりの弱弱しさに、追っかけた事をチト後悔したほどだ。
なんだろう、ある種予感のようなものが頭をよぎった。
はたして僕子の白い指から、こぼれるようにして落ちた牌はまさに俺の待ち牌。

「一発!!、12000は24000!!」
ドッと爆発する場の空気
「おおぉぉぉぉ!!!」
「まてっ、まてまて、リー棒でてるから丁度0点?」
「0点は飛びじゃないよな」
「お、おう!こっからだよ、こっから」
僕子は気を取り直すように、強がっていたが潤んだ目が完全に泳いでいた。
小さい手がシャツの胸の辺りを握りしめている。
牌牌を積もってくるのにも、手がおぼつかない。

決着は直ぐについた、ノーテンでも飛ぶ僕子が金無しのリーチに振り込んで終局。
「きたー!!」
「あっけね?、東1で終了かよ?」
「24000は酷すぎるよな」
その時おれは考えた。
イヤ、ちょっとまて、そんなことよりも僕子は-30だろ?
シャツを脱いで、ジーンズを脱いで、もう一枚は… ブ、ブラか?
「僕子-30か?、3枚ぬ…」
男二人も何かに気が付いたらしい。
3人の目線が、ゆっくり僕子に集まっていく。
テーブルに突っ伏していた僕子が、ガバッっと立ち上がった。
「おおおお!」
「僕子行け?!!」
金無しが手拍子を始める。
俺はこの時でも半信半疑だった、ホントに脱ぐのか?
そんな訳ないよな?

そんな俺の気持ちはよそに、小さな指が裾に掛かりシャツがゆっくりめくられていった。
陶器のような白い肌が、あらわになっていく。
無駄な脂肪のないなめらかなお腹、控えめなオヘソ、うっすらと見える肋骨。
動悸が激しくなっていくのが自分で解かった。
頭の中が揺さぶられているような気がした。
僕子は意を決したように一気にシャツを頭から抜き、乱暴に投げ捨てた。
スポーツブラに近い、質素な水色のブラが飛び込んでくる。
僕子らしい、とても似合う物だった。
僕子はすぐに前かがみになってしまう。
だが、ブラを隠したわけではない。
ジーンズのボタンをはずし、一気にズリ下げる。
細めの艶のある太ももが眩しい。
僕子は片足を抜くと、もう片方の足でジーンズを蹴り捨てた。
小さな白い布切れを少しズリ上げる。
そして僕子の動きが止まった。

華奢で小さいが、スリムな体は蛍光灯の光を反射させていた。
そこに居るのはいつもの僕子ではなく、幼さはあるものの女性の体をしたまぎれもない女の子だった。
漫画雑誌のミス?というようなグラビアの子達から、お尻と胸を一まわりか二まわり小さくした、そんな感じだ。
俺も男二人も無言で固まっていた。スタイルの良さに完全に見とれていた。
普段スポーツ刈りに近い髪形をしているので気にならないが、本来僕子は顔も十分可愛いのだ。
美人ではないが、キュートと呼ぶにピッタリ。
その僕子の顔が恥ずかしそうに伏せられ、まつ毛が震えている。
僕子の体が鎖骨のあたりまで、赤くなっていた。
「も、もう無理しなくていいぜ?」
無意識のうちに、上ずった声が俺の口から出た。
それなのにその俺の声に弾かれたように、僕子の腕が背中にまわる。
緊張を解かれた紐が緩む、胸の前でブラがすこし下がる。
なにかスローモーションを観ているような、現実感のない情景だった。
金無しが唾を飲み込むのが聴こえた。
僕子は乱暴に水色の布を掴み、投げ捨てた。

衝撃的だった。
僕子は胸が無いとおもっていたが、大の間違い。
確かに小ぶりではあるのだが、お椀形をした張りのある胸がつんと上を向いていた。
恥ずかしげなうす桃色の小さな先端部に、目が金縛り状態に。
ヌード写真などで見る物とは全く違う、エロさが微塵もない新鮮な胸。
綺麗だと本気で思った。
もの凄く長い時間に感じたが、実際は数秒だったのだろう。
僕子はたった今気が付いたというかのように、突然胸を腕で隠すと
「もういいだろっ」
慌てて服を拾い、台所へ駆け込んでいった。
3人の視線は僕子の後ろ姿が消えた時にやっと開放され、はっと我に返る。
男達は取り繕うように、上ずった声で大袈裟に喋り始める。

ついさっきの感想戦を語りながら、山を積みドラめくりの練習を始める面々。
どいつの目にも、僕子の裸体がちらついたままだったろう。
ん?
俺の視界に、水色の物が入った。
「あいつ、ブラ忘れてるよ」
俺は誰ともなしにつぶやくと、立ち上がり拾いあげた。
あまりの軽さにビックリしながら、俺はそのまま台所へ向かう。

電気の付いていない薄暗い部屋の中で、僕子は服も着ずにボーとしていた。
ギクッとした

「お、おい、これ忘れてんぞ」
ハッとした僕子は、俺に気が付くと
「おぉ、サンキュ」
とブラをひったくった。
どうしても、胸のうす桃色部分に目がいってしまう。
俺の視線に気ずいた僕子は、あわてて胸を隠す。
「なんだよ?」
口をチョイととがらせ、ちょっと睨むような仕草で言った。
いつもの僕子の顔だ。
安心した俺は、次の瞬間 間抜けな事をいってしまう。
「ちょっとさ、さわってもいい?」
はぁ?俺はなにを言ってるんだ!?
僕子も完全に意表をつかれていた、あんなに間の抜けた顔を見せるのは初めてだった。
俺はなんとか取り繕おうと必死に言葉を探すが、なにも出てこずますます慌てる。
すると、僕子が胸を隠していた腕をゆっくりとさげていくではないか。

えええ!?
本格的にパニった俺は後ろを振り向く。
隣の部屋では二人が牌をいじりながら「ダブル役満」がどうとか言っている、手役でも並べているのだろう。
「ん」
僕子の声にあわてて顔をもどす。
僕子は胸を突き出したまま、じっとしていた。
俺に見られないようにか、そっぽを向いている。
なんなんだこれは!?
薄暗さも手伝ってか、おかしなところに迷い込んだような感覚に包まれる。
きっとここにいるのは俺一人だけで、目の前にあるのは僕子の体だけ。
俺の視線は僕子の膨らみに釘付けになり、なにも考えられなくなった。
手を恐る恐る動かしてみる。
俺の腕が俺の物でないような錯覚に陥る、全然いうことをきかねぇ。
落ち着け俺!
鼓動が手を通して伝わるんじゃないかと思うほどうるさかった。

俺の指が白い膨らみにそっと触れた時、僕子の肩がピクリと動いた。
それは一瞬で、すぐにまた動かなくなった。
僕子の腕がピンと張って、蝋人形のように固まっていた。
僕子の胸から最初押し返されるような感触がした、張りのある弾力感。
だが少し力を加えると、今度は一転して吸い付いてくるような感触に襲われる。
揉むというより、押し付けるようにして胸をまわした。
ポチっと飛び出す小さな先端部を親指で触れてみる。
僕子の体が、小さく震えたような気がした。
俺はそこまで無心だったが、どんな顔してるんだろうと気になった。
目を上げてみると
僕子は上気した顔を斜め上に向け、目を細くして唇をかんでいた。
耐えかねたかのように、僕子の唇からフッと息の漏れる音がした。
俺はたまらなくなった、抱きしめたい衝動にかられた。
「ドンッ」
次の瞬間、俺はおもいっきり突き飛ばされた。
「はいっ、着替えるんだからあっちいってろよっ」
片腕で胸を隠し、手をシッシッと振っている。
「おっおう」
俺の足取りは、きっと夢遊病者のようだったろう。

仲間達との会話も、完全に上の空だった。
手に残る感触、上気した僕子の顔、唇からもれた吐息。
しかし、着替えて出てきた僕子は完全にいつもの調子にもどっていた。
「おおー僕子ごくろう!」
「おつかれ?」
そんな仲間達の声に
「もうお前らとは二度と麻雀しねぇ」なんて毒づいている。
俺もホッとしたような置いていかれたような歯がゆい気持ちながら、いつもの調子を取りもどす。

ストリップの事など無かったように、その後も楽しいツーリングが続いた。
僕子は言うまでも無いが、他の男二人もさっぱりした性格で俺もそこが好きだった。
いつまでも悶々としていたのは、俺だけだったのかもしれない。
無事に帰ってきたときには、ガラにも無く仲間達との一体感みたいな物を感じた。
別れ際に僕子が恨めしそうな顔をして蹴りを入れてきた、脱がせた事、胸を揉んだ事だろうと思い少し後ろめたかった。

それぞれ別の道に進んだ俺達が、その後一緒にツーリングに出かける事はなかった。
だからいっそう忘れられない思い出だ。
得がたい仲間達と共有した時間、ふざけあい 叱咤しあい 馬鹿をやった。
そしてきっと、俺は少し僕子に惹かれていたんだろう。
いや、惹かれていたんだ。

卒業してから会う機会がなくなったが
この半年程の後に、たった一度僕子の事を生涯忘れられなくなる体験をさせてもらう事になる。
そして僕子は地元を離れ、それ以来連絡が取れない。
今となっては少し難しいのだが、いつかまたあの面子で酒でも飲みに行きたい。
俺の淡い夢。
俺の脱衣麻雀話は、これで終わりだ。

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